10月3日未明(10月2日終電後)、東京メトロ有楽町線・副都心線に導入予定の新型車両「17000系」の17102Fが、直通先である東急東横線・みなとみらい線内で試運転を行うために、渋谷以南に初めて入線した。3日に、渋谷~武蔵小杉で計3本、8日に、武蔵小杉~横浜で計2本、10日・12日に横浜~元町・中華街でそれぞれ計2本の試運転を行った後、本日未明に武蔵小杉~渋谷の試運転兼所属区への返却が行われ、無事に今回の試運転は終了した。何回か行われるとのことだったので、カット数もある程度増やしてみようとは思ったものの、天候不順も相まって、結局初日の施行のみの撮影となった。
    地元東横線に他所の新型車両が初めてやって来る歴史的な瞬間というのは、やはり興味の湧くものである。幸運にも初日である3日の翌日は休日だったので、先輩に車を出して頂き、その歴史的な瞬間のカットを収めるべく、夜な夜な線路際へ向かうことになった。

    元住吉行の下り終電を見送り、しばらく待っていると、静寂な住宅街に突然踏切の音が鳴り響いた。渋谷方から白く眩しい前照灯の光がこちらに近付いて来た。

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786-261レ:東急東横線深夜PQ測定試運転
東京メトロ17000系17102F
    踏切の照明が当たる一瞬にシャッターボタンを押し込める。真新しいピカピカの車体が、新たに走る線路を、まるで石橋を叩いて渡るかの如くゆっくりと走り去って行った。今回元住吉へ貸し出されるのは17102Fのようで、これは3月の甲種輸送でも撮影した編成だった。

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786-262レ:東急東横線深夜PQ測定試運転
東京メトロ17000系17102F
    2発目は、自由が丘駅にて夜間停泊の車両と並ぶ光景を収めた。営業運転開始後は、この駅でまた様々な輌と顔を並べることとなる筈だ。ちなみに今回は、「ハイビームで顔が真っ白になるくらいなら、後ろからちゃんと光源の当たるポイントで撮った方が良い」という勝手な価値観に基づいて、全カット後ろからの物になっている。

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786-271レ:東急東横線深夜PQ測定試運転
東京メトロ17000系17102F
    最後は元住吉検車区の入出庫線踏切へ移動。この日の行程を終えた17102Fは、くねくねと編成を曲げながら、格納庫へと入っていった。ニューフェイスを、東横線5050系最古参の5151Fが暗闇の中から出迎える。今回の試運転は、諸測定の為にPQ輪軸を履いての走行だったようだが…残念、それが分かるカットは撮っていなかった。

    新時代を感じさせるデザインの17000系。車体側面の特に帯の部分には、13000系に通ずるものを感じる。個人的には、前照灯に関しては半蔵門線導入用の18000系が好きではあるが、これはこれで先代10000系の丸っこいイメージを踏襲していて良いのかな、と思ったり思わなかったり。とは言え、営業運転開始が楽しみなのは言うまでもない。
    これから先、有楽町線・副都心線の車両動向には目を離せなくなる。毎日使う地元路線の直通先ならば尚更の話。置き換え対象である7000系も、今は毎朝通学で乗る輌だが、果たしていつまで走るのか…。記録はなるべくお早めに。