本日、2020年3月13日。新宿駅21時30分発、小田原駅22時50分着の「ホームライナー小田原23号」の運行をもって、JR東日本の花形特急車両であった251系は、全ての定期運用から撤退した。事実上の「引退」である。東京から伊豆方面へ向かう特急列車として圧倒的な存在感と人気を誇った「スーパービュー踊り子」も、今日限りで姿を消すことになる。1990年の運行開始以来、東海道と伊豆の海岸を走り抜け、多くの観光客を乗せた花形列車としての30年の歴史に、今晩終止符が打たれたのだ。
「ホームライナー」は、通常の特急列車とは異なり、ライナー列車として運行されるので、このように520円のライナー券を購入することで乗車できる。「スーパービュー踊り子」に乗る時より遥かに安く乗ることができ、乗り得な列車として昔から有名だった。
今回は新宿駅から小田原駅まで乗車した。小田原方の展望席はグリーン券を購入しないと乗れないのだが、新宿方に関してはライナー券で乗ることができる。最後の最後に、夜間ではあるものの、初めて展望席に乗ることができた。
251系の特徴は、何と言っても大きな窓である。この窓から眺める東京副都心の夜景は何とも煌びやかなもので、贅沢な気分に浸ることができた。展望席には照明が無いので、その分夜景がより一層映えて見えるのだった。
ホームライナーの面白い点としては、東海道貨物線を走行する点が挙げられる。長大な地下トンネルや、シェルター付高架等の区間を走行する。横浜羽沢駅の脇等、普段旅客列車が走行しない区間もである。今回乗車した際も、途中トンネル内で貨物列車と離合した。
隣のホームに止まっていた185系の回送が抜け、反対ホームからは綺麗に編成全体が見えるようになった。スマートフォンでバルブもどきの写真を。これが本当のラストカット。泣いても笑っても、自分が営業中の251系を見られるのはこの瞬間が最後だ。これでお別れである。
私が鉄道に興味を持ち始めたのはもう15年以上も前の話になる。車両図鑑なんかは本に穴が開くほどによく読んだ。当時載っていた特急車両と言えば、253系成田エクスプレスやら、E351系スーパーあずさ。251系スーパービュー踊り子も例外では無かった。しかし、時の流れというのは残酷なもので、253系もE351系も、新型車両の導入によって姿を消してしまった(253系は転用されて鬼怒川温泉行の特急としてまだ現役ではある)。遂に、251系にもその時が来たということだ。「幼少期を思い出す象徴」とまで言ったら言い過ぎではあるが、思い出を形作る要素として、251系は欠かせないものになる。
今回は、過去に撮影した写真をまとめると共に、先日乗り納めをした時のことを綴ろうと思う。
3007M:特急 スーパービュー踊り子7号
251系RE-1編成
8592M:快速 IZU CRAILE2号
651系1000番台IR01編成
@伊豆急行線 河津駅
651系「伊豆クレイル」との交換シーン。伊豆クレイルも6月でラストランとなってしまうようだ。もう二度と見ることのできない並びである。
3005M:特急 スーパービュー踊り子5号
251系RE-1編成
@東海道本線 川崎~横浜(新子安駅)
東海道特急の変革が発表され、今シーズンは特に賑わったという新子安。ここでのカットも過去のものに。
3007M:特急 スーパービュー踊り子7号
251系RE-*編成
@東海道本線 早川~根府川
所謂「石橋俯瞰」初訪問の時の写真。相模灘の絶景との組み合わせに息を呑んだ。
3005M:特急 スーパービュー踊り子5号
251系RE-4編成
@東海道本線 茅ヶ崎~平塚
海との組み合わせも良かったが、雲一つない冬晴れ空にもよく合う輌だった。
3007M:特急 スーパービュー踊り子7号
251系RE-1編成
@東海道本線 早川~根府川
暑さの残る8月末。駅から歩き、汗をダラダラ垂らしながら山を登った日も良い思い出になった。
2019/11/16
3063M:特急 スーパービュー踊り子3号
251系RE-4編成
@伊豆急行線 伊豆稲取~今井浜海岸
3007M:特急 スーパービュー踊り子7号
251系RE-1編成
@東海道本線 戸塚~大船
有名な「戸塚カーブ」での1枚。この写真が251系のラストカットとなった。
ここまでは写真で振り返った訳だが、251系に慣れ親しんだとは言いつつも、それは単によく見かける、日常と化していた、撮影時に「オマケ」としてよく撮っていた、程のレベルで、乗った回数はあまり無いのが現状である。最初に乗ったのは、10年程前に家族旅行で伊豆に行った時だっただろうか。子供ながら、251系の豪華な設備に胸を高鳴らせていた記憶がある。それ以降はあまり機会に恵まれず、1~2回程しか乗れていなかった。そんな中、高校の先輩方から、最後に乗り納めをしないか、というお誘いが。新宿駅を21時30分に出る「ホームライナー小田原23号」に乗ってみようという訳である。家で暇していた私はそれに乗っかることにした。スマートフォンで簡単に撮ったお粗末な写真ばかりだが、御付き合い願いたい。
「ホームライナー」は、通常の特急列車とは異なり、ライナー列車として運行されるので、このように520円のライナー券を購入することで乗車できる。「スーパービュー踊り子」に乗る時より遥かに安く乗ることができ、乗り得な列車として昔から有名だった。
3月9日。この日の運用に充当されたのはRE-2編成だった。こうして新宿駅の特急発着ホームに止まっている光景も見納めとなる。
今回は新宿駅から小田原駅まで乗車した。小田原方の展望席はグリーン券を購入しないと乗れないのだが、新宿方に関してはライナー券で乗ることができる。最後の最後に、夜間ではあるものの、初めて展望席に乗ることができた。
251系の特徴は、何と言っても大きな窓である。この窓から眺める東京副都心の夜景は何とも煌びやかなもので、贅沢な気分に浸ることができた。展望席には照明が無いので、その分夜景がより一層映えて見えるのだった。
ホームライナーの面白い点としては、東海道貨物線を走行する点が挙げられる。長大な地下トンネルや、シェルター付高架等の区間を走行する。横浜羽沢駅の脇等、普段旅客列車が走行しない区間もである。今回乗車した際も、途中トンネル内で貨物列車と離合した。
隣のホームに止まっていた185系の回送が抜け、反対ホームからは綺麗に編成全体が見えるようになった。スマートフォンでバルブもどきの写真を。これが本当のラストカット。泣いても笑っても、自分が営業中の251系を見られるのはこの瞬間が最後だ。これでお別れである。
明日行われるダイヤ改正。東海道本線特急は大きな変化を迎える。新型車両E261系による「サフィール踊り子」の運転開始。185系に代わり、一部の「踊り子」はE257系2000番台による運転になる。また、E259系で運転された「マリンエクスプレス踊り子」は、今回の改正をもって廃止となる。子供の頃から慣れ親しんだ光景は、今日限りで消えてしまう。ある意味、少年の日の思い出とのお別れでもある。ただ、寂しさはあるものの、新しい日常への小さな期待があるのも確かだ。今回を機に、東海道本線がどのように変化していくのか、一鉄道ファンとして、少年から大人への転換点を迎えようとする者として、見守っていきたいものである。
30年間お疲れ様でした。そして、楽しい思い出をどうもありがとう。